CMSの概要と特徴:2.汎用コンテンツマネジメントシステム

コンピュータの操作やホームページ作成システムを理解していることを前提として作成されているシステムで、ホームページ作成業者やホームページ作成を自社で行える事業者を対象としたシステムです。
汎用CMSには、汎用的なユーザインターフェイスがあり、ログインしてユーザの設定に応じた言語やデザインで設定したり、設定された権限に応じてコンテンツを編集するしくみを提供しており、システムを拡張する機能や開発環境が充実してるシステムです。そのため、システムのサーバーへの設置、ホームページ作成のための言語の理解、ホームページの階層構造の理解といった技術能力が必要となるわけです。
汎用CMSは、多くの場合、上記の「軽量コンテンツマネジメントシステム」と同様にオープンソースとしてGPLを適用して提供されるようになっています。
汎用のCMSには、フリーのWordPress(ワードプレス)、XOOPS(ズープス)、Drupal(ドルーパル)、Joomla!(ジュームラ)等多くのCMSが存在します。なお、世界や日本において、シェアが高いからといってそのCMSが優秀であるということではありません。そもそも、ソフトやシステムは、その解説書がいち早く出版され広く普及することが利用の条件であるからです。米国のIT系出版社Packet Publishing社の「オープンソースCMSアワード」によるとJoomla! 、Drupal、Plone、MODX等が総合評価が高いようです。

世界中に様々な汎用CMSが多数ありますが、その違いは多くは、基本システム機能、操作性(インターフェース)、アプリケーションの対応の違いであり、基本的なプログラム言語やシステム(CGI等)は、オープンソースのものを利用して作成されているものがほとんどです(中には、特定の言語開発において作成されているものもある)。アプリケーションにおいても、世界の主要なCMSであるWordPressやMODX、Joomla!等では、CMSを構成する最も重要な部分であるテキストの入力や編集を行う「リッチテキストエディタ」については、「TinyMCE」というオープンソースの技術を利用しています。

活用のメリットとデメリットの可能性
汎用CMSの活用メリットは、ホームページ作成業者やホームページ作成を自社で行える事業者とっては、ホームページを容易に作成・管理できるという点です。また、様々な汎用的なCMS機能が予め用意されていることや多数のアプリケーションが用意されているため自社で開発の必要がない点にあります。また、カスタマイズの開発環境も用意されている点もメリットです。
また、広く利用されているCMSにおいては、日本語版の解説書が出ている点もメリットです。

活用のデメリットは、特定の目的、例えば、SEO対策、業種・業態の考慮、利用する規模、ホームページ作成におけるセキュリティ、ウェブアクセシビリティにおけるJIS規格対応、先進的な特殊技術等特別な目的を重点として考慮して設計されているわけではないという点にあります。
そのため、ビジネス活用等においてカスタマイズの開発が発生することになります。
GPLのCMSにおいては、特別に開発したアプリケーションはオープンソースにしなければ
ならないという条件付のものもあります。GPLのCMSは、明確な著作権者がいるためそのシステム自体をカスタマイズして別な製品として製品化することはほとんどの場合において認められていません。
また、主要なCMSは外国製のものであり、予め用意されているアプリケーション等の説明等においてまだまだ日本語化されていないという課題もあります。
また、実際に利用する事業者においては、CMSといってもある程度のHTMLというプログラム言語やコンピューターの操作の習熟が必要となります。よって、自社で作成を行っていない場合には、ホームページ作成業者等にシステム管理料やサポート料を払うことになります。
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